2025年7月時点で、Satoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)とされる人物の保有するビットコインの価値が約12兆9000億円(1290億ドル)に達し、世界第11位の資産家となっていることが明らかになった。
Satoshi Nakamotoは、2008年にビットコインのホワイトペーパーを発表し、翌2009年に最初のビットコインブロック(ジェネシスブロック)をマイニングしたとされる謎の人物または団体である。 名前は日本風だが、国籍・性別・所属などすべてが不明で、現在に至るまで実体は一切確認されていない。Satoshiが残した投稿やコードは、オープンソース文化の精神を体現しており、技術者たちに大きな影響を与えた。 特に分散型通貨(仮想通貨)の礎を築いた人物として、世界中のブロックチェーン技術者や投資家からリスペクトされている。
ブロックチェーン解析企業Arkhamによると、Nakamotoに関連するウォレットに保管されているBTCは約109.6万枚。2025年7月、ビットコイン価格が12万ドルを突破したことで、この資産の評価額は約1290億ドルに達した。これはForbesの推計によれば、ビル・ゲイツ(1170億ドル)やマイケル・デル(1265億ドル)を上回る金額で、世界長者番付で第11位に相当するという。
Satoshi Nakamotoの正体は長年の議論の的となっている。初期ビットコイン開発者であるHal Finney、スマートコントラクトの先駆者Nick Szabo、さらにはイーロン・マスクまで、様々な人物が「サトシ疑惑」をかけられてきたが、いずれも本人が否定している。中でもオーストラリアのコンピュータ科学者Craig Wrightは、自らがSatoshiであると主張し一部の法廷でも争われたが、決定的な証拠は示されていない。 また、2024年にはHBOのドキュメンタリーで開発者Peter ToddがSatoshiであるとの説も報じられたが、本人が即座に否定している。
Satoshiのウォレットに保管されている109万BTCは、2009年以来一度も動いていない。この「不動の資産」は市場に多くの影響を与えつつも、本人または関係者による売却や移転の意思がないことを示していると見られる。これはSatoshiが単なる技術者ではなく、ビットコインの哲学的基盤=「非中央集権・自己主権」を象徴する存在として自らを位置づけた結果とも解釈されている。
現在、ウォーレン・バフェットの資産は1410億ドル。BTCが現在の価格(12万ドル)から約8%上昇し12万8650ドルに達すれば、Satoshiは彼の資産を上回り、世界長者番付でトップ10入りする可能性がある。BloombergのETFアナリストEric Balchunasは、「ビットコインが過去の年間成長率(50%)を維持すれば、2026年末にはSatoshiが世界2位の富豪になる可能性がある」とも述べている。
仮想通貨の進化と共に、Satoshiの存在は「技術」「金融」「哲学」「権力」など様々な分野に影響を及ぼしてきた。正体が判明していないからこそ、彼(または彼ら)の影響力は伝説として語り継がれている。この人物が動くか、もしくは永遠に沈黙を守るか――いずれにしても、Satoshi Nakamotoは現代における最も影響力のある匿名存在であり続けるだろう。
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本記事は、公開時点での各種報道・分析情報に基づいて執筆されています。Satoshi Nakamotoの正体や保有資産に関する記述は、ブロックチェーン上のウォレット情報や市場価格の推定に基づいており、断定的な事実を保証するものではありません。
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