XAU/USD(ゴールド/米ドル)は、2025年5月8日現在で1トロイオンスあたり3340.15ドルまで下落しています。これは、前日高値の約3440ドルから100ドル規模の調整となっており、テクニカル的には「急騰後の利益確定売り」および「レジスタンスからの戻り売り」が重なったと考えられます。現在の局面では、価格が短期移動平均線を下抜けて推移しており、下落圧力が徐々に強まっていることがcTraderチャート上で確認できます。
さらに、トレンドの強さを示すADXや方向性を示すDMIにおいても、弱気への傾きが顕著に表れており、今後の下値リスクを警戒する必要がある場面です。特に3340ドルを割ったことは、短期的なサポートブレイクであり、次のテクニカルターゲットとしては3330ドル、さらにその下の3300ドルラインが意識されるようになります。
チャートでは、青線が50時間移動平均線、赤線が200時間移動平均線を表しています。5月7日までは50MAが緩やかな上昇を描いており、上昇トレンドの継続を示唆していました。しかし、5月8日午前からはこの50MAを明確に割り込み、ローソク足はほとんどの時間でこのラインの下に位置しています。
この50MA割れは、短期トレーダーにとって「上昇終了」のシグナルとして機能しやすく、ポジション解消やドテン(反転売り)が入りやすい環境です。さらに、ローソク足は現在、200MA(約3330ドル)との接触も試しており、ここが最終防衛ラインとしての役割を果たすかが注目されています。
チャート下段に表示されているADX(黄色線)は、5月7日朝の上昇で一時的に0.20に接近しましたが、その後は再び0.15付近まで低下し、現在は再上昇の兆しを見せています。これは、相場が「一度トレンドの加速を止めたものの、新たな動きが形成されつつある」ことを意味します。
また、DMIでは–DI(赤線)が+DI(緑線)を明確に上回って推移しており、方向性としては「売り」が優勢です。特に、+DIが横ばい〜下向きの中で–DIが上昇する形は、「上昇トレンドの否定」と「下落トレンドの兆候」を同時に示す強い弱気シグナルとされています。ADXが再び0.20を明確に超えてくれば、下落トレンドが正式に確定する局面とみなされるでしょう。
出来高は、価格が下落する局面で増加する傾向があり、直近の大陰線(5月8日11時〜12時台)では特に顕著でした。この時間帯には、短期的なロングポジションの損切りや新規ショートの流入が重なったと考えられ、今後も出来高が増加する中でのサポート割れは、トレンド継続を後押しする重要な要素です。
なお、出来高が減少している間の上昇(5月8日07:00〜10:00)は「弱い反発」と解釈され、これが売り直される可能性が高く、戻り売り戦略の根拠になります。
※画像出典:cTraderプラットフォーム
XAU/USDの今後の値動きは、以下の価格帯の攻防によって大きく変化すると考えられます:
弱気シナリオ(戻り売り戦略)
エントリー:3340〜3345ドルへの戻りで売りエントリー(陰線で反転確認)
利確目標:3300ドル〜3285ドル
損切り:3360ドル超え(直近戻り高値を明確に上抜けた場合)
強気シナリオ(短期反発狙い)
エントリー:3330ドル近辺での反発ローソク足(ピンバーや包み足)を確認後にロング
利確目標:3360ドル(50MAまでの戻し)
損切り:3320ドル割れ(直近安値ブレイク)
XAU/USDは、短期的な上昇トレンドを終え、現在は「調整からのトレンド反転局面」に入った可能性があります。移動平均線の構造、ADXとDMIの配置、そして出来高の変化がすべて下落方向に傾いており、今後は戻り売り戦略を主軸に組み立てるのが有効な場面です。特に、3330ドルの攻防とADXの動きには要注目です。テクニカル指標と価格アクションを照らし合わせながら、冷静なトレード判断が求められます。
本記事はcTraderチャートに基づく情報提供を目的としており、投資助言または売買推奨を行うものではありません。金融市場での取引にはリスクが伴い、最終的な判断は必ずご自身の責任で行ってください。
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本記事は情報提供のみを目的としており、金融または投資の助言を行うものではありません。本文中の分析および戦略は過去のデータや現在の市場状況に基づくものであり、今後変更される可能性があります。投資判断を行う際は、必ずご自身で調査を行い、必要に応じて専門家にご相談ください。
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