ビットコイン(BTC/USD)は2025年5月2日現在、96,670ドル付近で推移しています。4月末の急落から急速なリバウンドが入り、一時97,500ドル台まで回復しましたが、その後は上値の重さが意識され、現在は狭いレンジ内での横ばい推移が続いています。テクニカル分析の観点からは、短期的な上昇トレンドが一服し、調整局面への移行リスクが浮上している状況です。
チャート上では、50時間移動平均線(青線)がサポートとして機能しており、現在もこのライン上で価格は踏みとどまっています。この水準は95,800ドル付近に位置しており、今後の下落リスクを占う上で極めて重要な価格帯となっています。一方で、200時間移動平均線(赤線)は93,500ドル前後で上向きを維持しており、中長期的な上昇トレンド自体は継続中です。
ただし、ローソク足の形状を見ると、4月末の反発後は上ヒゲを伴う陰線が増加傾向にあり、買いの勢いが徐々に衰えていることが示唆されます。特に97,000ドル〜97,500ドルのゾーンでは売り注文が厚く、明確に上抜けられない限りは反落シナリオを優先的に警戒する必要があります。
下段のインジケーターでは、ADX(黄色線)が直近の高値から反落しており、現在は0.55付近に位置しています。これはトレンドの勢いがピークを過ぎ、相場が次の方向性を模索している局面であることを意味します。さらに、+DI(緑線)と−DI(赤線)の距離も縮小しており、買い・売りの力関係が拮抗している状態です。
もしADXが今後も低下し続け、+DIと−DIがクロスするようであれば、トレンドレスなレンジ相場、または短期的な反転(下落)局面に入る可能性が高くなります。こうした局面では、短期トレードでの逆張り戦略や、ブレイクアウト待ちの慎重な姿勢が求められます。
注目すべきは、価格が97,000ドルに近づくにつれて、出来高(ボリューム)が減少している点です。特に、ローソク足の実体が小さくなりながらも出来高が伴わない場面では、「ダイバージェンス(乖離)」として、トレンド転換の前兆と見なされるケースが多くあります。現在はその典型的なパターンに近づいているため、今後の急変動には十分注意が必要です。
価格が96,000ドルを明確に割り込むと、短期トレーダーのロスカットが巻き込まれ、93,500ドル〜94,000ドルゾーンまでの急落に繋がる可能性も否定できません。
※画像出典:cTraderプラットフォーム
現在のBTC/USDの地合いを踏まえ、以下の価格帯が今後の方向性を左右する重要な判断ポイントとなります。
シナリオA:上昇再開(ブレイクアウト戦略)
エントリー:97,500ドル突破後
利確目標:98,500ドル付近
損切り:96,300ドル割れ
シナリオB:反落狙い(戻り売り戦略)
エントリー:96,000ドル割れ確定後
利確目標:94,000ドル
損切り:97,300ドル超え
シナリオC:レンジ戦略(逆張り対応)
エントリー:95,800〜97,000ドルの間で短期トレード
利確目標:各レンジ上下限
損切り:レンジブレイク時に即撤退
BTC/USDは現在、短期的な上昇トレンドが一服し、方向感のない揉み合いに入っている可能性が高まっています。移動平均線、ADX、DMI、出来高といった主要なテクニカル要素がいずれも「過渡期」を示しており、次の動きに向けた準備段階にあると分析されます。リスクリワードを意識したトレード戦略と、明確なテクニカルシグナルの確認が今後のカギとなるでしょう。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。すべての取引判断はご自身の責任でお願いいたします。
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