2025年7月31日、XAU/USD(ゴールド/ドル)は大きな下落の後、3290ドル付近で短期的な反発の兆しを見せています。7月後半から継続していた下落トレンドは、一時的に3260ドル付近で下げ止まり、現在はリバウンド局面にあります。この動きは、月末に控えた米国経済指標発表やFRBメンバーの発言など、ファンダメンタルズの影響も反映している可能性があります。今回は、テクニカル分析の視点から、移動平均線、MACD、ADXなどを中心に、XAU/USDの今後の方向性を読み解いていきます。
チャート上では、短期移動平均線(青:50MA)と長期移動平均線(赤:200MA)の両方が下向きで、価格はその下に位置しています。これは市場が中・長期的にも弱気であることを示しており、トレーダーのセンチメントが依然として売り優勢であることが伺えます。現在、価格は一時的に50MAに向かって戻りを試す動きですが、明確に上抜けない限り、この反発は「戻り売りの好機」と捉えられる可能性が高いです。
MACD(移動平均収束拡散法)は、シグナルラインの下で推移していますが、下方の勢いが弱まりつつあります。MACDヒストグラムもマイナス圏で縮小しており、短期的なモメンタムの転換が示唆されています。特にこのような場面では、モメンタムの変化に注意が必要であり、反転の初期サインと捉えることもできます。ただし、依然としてMACDはゼロラインを下回っているため、中立から強気への転換にはもう一段の価格上昇と継続が求められます。
ADX(平均方向性指数)は40付近と高い水準で推移しており、現在のトレンドが非常に強いことを示しています。方向性としては下降トレンドが優勢であり、ADXが高い状態で推移している間は、反発局面も限定的となる可能性があります。ADXはトレンドの「強さ」を測る指標であり、その値が25を上回っている場合、市場に明確な方向感があると解釈されます(詳細は こちら)。
直近の急落局面では、出来高が急激に上昇しており、大量の売り注文が流入したことが読み取れます。一方、現在の反発局面では出来高が低下しており、買いの勢いが限定的であることが示唆されます。このように、ボリュームの裏付けがないリバウンドは持続性に乏しい傾向にあり、戻り売り圧力に注意が必要です。
レベル | 価格 | 意味・根拠 |
---|---|---|
短期レジスタンス | 3290ドル | 反発の上限、売りの厚いゾーン |
次のターゲット | 3330ドル | 50MA付近でのレジスタンス、過去の揉み合いゾーン |
短期サポート | 3260ドル | 直近安値、リバウンド前の反発ライン |
中期サポート | 3230ドル | 下降の起点となった水準、心理的節目 |
全体として、XAU/USD(ゴールド/ドル)は強い下降トレンドの中で短期的な反発を見せている状態です。テクニカル指標は、モメンタムの一時的な反転の兆候を示す一方で、トレンドの方向性は依然として下向きであることを示しています。
このため、短期的な買いは逆張りのリスクを伴うため注意が必要です。特に3290ドル~3330ドルの価格帯では戻り売りが出やすく、明確に上抜けない限り、さらなる下値模索が続く可能性もあります。サポートゾーンとしては3260ドルおよび3230ドルが注目され、ここを下抜けるとさらなる下落圧力が強まる可能性があります。一方、上抜けた場合は、短期的にトレンド転換の可能性が出てきますが、出来高やモメンタムの裏付けが重要になります。マーケット環境が急変しやすいタイミングでは、ファンダメンタルズにも注意を払いながら、テクニカルと合わせて戦略を組み立てていくことが重要です。
※免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の投資行動を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
本記事は情報提供のみを目的としており、金融または投資の助言を行うものではありません。本文中の分析および戦略は過去のデータや現在の市場状況に基づくものであり、今後変更される可能性があります。投資判断を行う際は、必ずご自身で調査を行い、必要に応じて専門家にご相談ください。
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