関税の不透明感の中、ポンドが2週間ぶり高値を更新

DANIEL JOHN GRADY
2025年01月23日

フォレックス市場アップデート：ポンドがドルに対して上昇

英ポンドは3日連続で上昇し、米ドルに対して2週間ぶりの高値を更新しました。米国政府の関税政策が不透明なことから、ドルが下落し、ポンドの魅力が高まっています。ポンドは0.1％上昇し、1.2376ドルとなり、1月8日以来の最高水準を記録しました。

英国の借入懸念にもかかわらずポンドが上昇

当初、ポンドは早朝の取引で0.3％以上下落しました。12月の英国の借入額が予想を上回ったというデータが示され、財政健全性に対する懸念が高まりました。しかし、米国政権の関税戦略をめぐる不透明感がドルを圧迫し、ポンドは回復しました。今週に入って、ポンドはすでに1.6％上昇しています。

米国の関税政策が市場の不透明感を生む

トランプ大統領は、ホワイトハウスに復帰後も、米国輸入品への関税を課していません。しかし、2月1日からのカナダ・メキシコからの輸入品には約25％、中国製品には10％の関税を検討しています。さらに、トランプ大統領は欧州連合からの輸入品にも関税を導入することを約束していますが、具体的な詳細は明らかにしていません。月曜日には、包括的な関税の可能性を示唆しましたが、最終決定はされていないと述べました。

経済的課題を抱えるポンドの見通し

ポンドはドルに対して上昇したものの、ユーロはポンドに対して0.14％上昇し、84.50ペンスに達しました。月曜日には、8月以来の高値である84.73ペンスにタッチしました。投資家は英国の経済見通しについて依然慎重です。年初以来、ポンドはユーロに対して約2％下落しています。

ユニクレディットのアナリストは、英国経済の軟調さとイングランド銀行（BoE）の潜在的な利下げが、ポンドを年間を通じて圧迫する可能性があると示唆しています。現在、市場では2024年中のBoEの利下げを約65ベーシスポイント織り込んでいます。

英国の財政赤字が懸念材料に

水曜日に発表された公式データによると、英国の12月の財政赤字は予想を上回りました。公共部門の純借入額は178億ポンド（220億ドル）に達し、前年同月比で10億ポンド以上も超過しました。この財政圧力は、経済の不確実性を見ながら公共財政を管理しなければならない英国財務大臣レイチェル・リーブス氏にとって、課題となっています。

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