2025年7月11日、中国の税関総署は、日本産水産物の輸入再開に向けて、北海道と青森県にある3つの業者の加工施設について再登録を承認しました。中国政府による輸入停止から約2年が経過し、今回の措置は事実上の再開を意味します。
中国政府は2023年8月、福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を受け、日本産水産物の輸入を全面停止していました。しかし2025年6月、中国税関当局は安全性を再評価し、東京都や福島県など10都県を除いた地域に限って輸入を再開すると発表しました。
今回再登録が承認された3つの施設は、2030年7月10日までの5年間有効となります。輸出にあたっては、日本の政府機関が発行する放射線検査証明書や産地証明の提出が義務付けられ、安全性を担保した輸出が求められます。
日本政府関係者によると、中国の何立峰副首相は、自民党の森山幹事長との会談において、「中国の基準に合致し、質の高い日本産水産物の流通を歓迎する」と述べたとされます。これは中国市場における日本水産物への信頼回復を意味する発言といえます。
両者の会談では、水産物に加えて日本産牛肉の輸入再開についても議論がなされました。2001年のBSE発生以来、中国は日本産牛肉の輸入を停止していましたが、2019年に署名された安全性協定の早期発効が検討されています。
何副首相はまた、ジャイアントパンダの日本への貸与について「事務レベルで協議を開始したい」と述べたほか、日本が懸念するレアアースの輸出規制についても、「中国は各国の動向を参考にしており、時間が必要である」と理解を求めました。
中国への日本産水産物の輸出が段階的に再開される中、日本政府は引き続き、規制対象となっている10都県についても輸入制限の撤廃を求めていく方針です。今回の動きは、日中関係の改善、経済交流の活性化、地域経済の回復にもつながる可能性があります。
今回のような外交的合意による輸出再開は、食品関連銘柄や通貨市場にも波及する可能性があります。特に北海道や青森の水産加工関連企業、また農業・畜産セクターへの影響も注視されます。政策とマーケットが連動する今、投資判断には政治リスクの読み解きも不可欠です。
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福島第一原発の処理水放出による停止措置から約2年、中国が日本産水産物の一部輸入再開を承認。北海道・青森の3施設が再登録され、今後の輸出再開が見込まれる。副首相による歓迎発言、日本産牛肉の再協議、パンダ・レアアースの外交的言及も含む。
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