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日本企業の設備投資が過去最高も、米関税で輸出投資に減速懸念

日本企業の設備投資が過去最高も、米関税で輸出投資に減速懸念

内需関連産業が設備投資をけん引

2025年1〜3月期、日本の企業による設備投資が前年同期比6.4%増の18.8兆円(約1,300億ドル)に達し、過去最高を記録しました。これは、設備投資統計として2007年以来の水準を上回るものです。 成長をけん引したのは、価格転嫁やインバウンド需要に支えられた国内志向型の業種でした。訪日観光の回復に伴い、ホテルや商業施設の建設投資が活発化。食品業界では設備投資が13%、不動産業界では11%増加するなど、明確な増勢がみられます。

輸出産業はトランプ政権の通商政策に慎重姿勢

一方で、自動車産業では1.4%、工場設備メーカーでは4.1%の投資減少が確認され、米国の対日関税政策が影響しているとみられます。ドナルド・トランプ大統領は、鉄鋼・アルミニウムに加え、自動車輸入にも25%の関税を課しています。 さらに、日本は7月から最大24%の追加関税対象となる可能性があり、交渉が成立しなければ影響はさらに広がると見られています。ノーリンチキン総合研究所の南武志氏は、「トランプ政権の関税方針により、輸出型企業は新規投資を慎重に見極める姿勢に転じている」と述べました。

GDPには影響限定も、先行きに警戒感

季節調整ベースでは前期比1.6%の増加となった一方、前四半期(2024年10〜12月期)は0.2%減と、約4年ぶりに減少に転じていました。これは国内設備投資にばらつきがあることを示しており、2025年6月9日に公表予定のGDP改定値への影響は限定的と見られます。 また、2025年1〜3月期のGDP速報値は、実質GDP成長率が年率換算で0.7%のマイナスとなり、個人消費や輸出の停滞が主要因でした。

企業収益は堅調だが、今後の関税影響に注意

同期間の企業売上高は前年同期比4.3%増、経常利益も3.8%増となり、全体的な収益は堅調でした。しかし、日本総合研究所によれば、トランプ政権による対日関税がすべて実施された場合、対米輸出が最大6兆円減少し、企業利益が最大25%圧縮される恐れがあります。 この影響で、製造業の賃金上昇率も現在の3%から、2026年には2〜2.4%程度へ減速するとの見通しです。これは、日本銀行が見込む「賃上げによる内需拡大→金利正常化」という基本シナリオを揺るがしかねません。

まとめ:設備投資は内需が支えるも、輸出リスクに警戒を

今四半期の統計は、日本経済が内需主導で回復を続けていることを示す一方、輸出型企業にとって米国の通商政策が依然として大きな懸念材料であることも浮き彫りにしています。企業の投資戦略と政策判断は、今後も国際環境に大きく左右されるでしょう。

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※本記事は情報提供のみを目的としており、特定の投資判断を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任にてお願いいたします。

日本企業の設備投資は過去最高を記録したが、米国の関税政策で輸出企業の投資は減速。GDPは微減、企業収益は堅調も将来の関税リスクに警戒が必要。今後の投資や政策は国際情勢に左右される。

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DANIEL JOHN GRADY
著者

Daniel John Grady は、金融アナリスト兼ライターです。彼は財務管理の学位を持つ元 CFO であり、英語とスペイン語の両方で出版されています。 10年以上の株式取引経験を持つ彼は、主にラテンアメリカを中心とした外国為替と新興市場に関心があります。

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