米当局、ホンダ車141万台を再調査｜エンジン不具合リスクとブランド信頼への影響
今回の調査で対象となるのは以下の5車種です：
いずれも 3.5リッターV6エンジン を搭載しており、共通の不具合リスクを抱えているとされています。
問題の核心は、エンジン内部にある「コンロッドベアリング」の摩耗です。 クランクシャフト の製造工程に不具合があった可能性が指摘されており、その影響でベアリングが早期に摩耗。 これがエンジンの異音、性能低下、最悪の場合には走行中のエンジン停止につながる恐れがあります。エンジンは車両の「心臓部」であり、その不具合は 自動車安全 に直結します。 そのため、NHTSAはユーザー報告を重視し、大規模な再調査に踏み切りました。
ホンダは2023年11月に、同様のエンジン不具合を理由に約24万9,000台のリコールを実施しました。 しかし、その後も対象外モデルから414件以上のユーザー報告が相次ぎ、さらにメーカーからも2,598件の報告が提出されています。NHTSAは一度調査を終了していましたが、報告件数の増加を受けて再調査を決定。 この背景には「リコール対応範囲が不十分であったのではないか」という疑念もあります。
今回の調査対象台数は、ホンダが2024年に米国で販売した新車台数（約142万台）とほぼ同規模です。 つまり、ホンダにとっては「1年分の販売台数に匹敵する規模の調査」を受けていることになります。ブランド イメージへの影響は避けられず、特に米国市場における競争力にマイナスとなる可能性があります。 顧客ロイヤルティの低下、販売店の対応負担、株価への影響も懸念材料です。
自動車業界のアナリストによれば、「エンジンの安全性に関する大規模な調査は、リコール対応の迅速さと透明性がブランド維持に不可欠」だと指摘されています。 また、ホンダの競合であるトヨタや日産が同様の問題で批判を受けた過去もあり、迅速な対応が求められています。
NHTSAによるホンダ車141万台の再調査は、単なる品質問題ではなく「自動車業界全体に対する警鐘」とも言えます。 今後ホンダがどのように対応するかは、顧客の安全だけでなく、グローバルブランドとしての信頼を左右します。ユーザーは対象車種を確認し、必要に応じて正規ディーラーでの点検・修理を受けることが推奨されます。 また、NHTSAの公式サイトを通じて、最新のリコール・調査状況を確認することも重要です。
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