要点:
ドナルド・トランプ大統領は、自身の選挙公約の柱として掲げてきた「アメリカ・ファースト」政策を推進すべく、包括的な予算案「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill)」を提出した。 この法案は約1,000ページにわたり、国境の壁建設、防衛費の増強、国内エネルギー生産の促進など、保守派の政策目標が集約された内容となっている。 一方、医療保険制度や食糧支援の予算が削減されることから、弱者切り捨てとの批判も高まっている。
上院では、月曜深夜から火曜日の朝にかけて「vote-a-rama(投票ラマ)」と呼ばれる長時間の採決手続きを実施。21時間以上にわたり、約100本の修正案に対して個別投票が行われた。 民主党議員は法案の阻止を試み、法案全文(約940ページ)の読み上げを要求するなど、時間稼ぎの戦術を展開。読み上げには16時間を要し、審議の進行は大きく遅延した。
特に注目されたのは、ジョン・コーニン議員による修正案で、犯罪歴のある不法移民に対して医療保険を提供している州への連邦補助金削減を提案したが、否決された。 また、民主党のエド・マーキー議員は地方病院の閉鎖リスクに言及し、医療アクセスの確保を求める修正案を提出したが、これも党派ラインにより否決された。
批判の声は政界外にも広がっており、テスラCEOの イーロン・マスク 氏は、自身がかつて率いた政府効率化局(DOGE)とこの法案の方向性が相反するとして、「政府支出の削減を訴えながら債務を最大化するのは偽善的だ」と共和党を批判した。 トランプ大統領は反論として、「イーロンは補助金で成り立っている」とSNS上で反発している。
米 財務省によると、国家債務は現在36兆ドルに達しており、今回の法案が成立した場合、さらに3.3兆ドルが追加されると予測されている。 また、議会予算局(CBO)の試算では、法案に含まれる医療制度改革により、約1,200万人のアメリカ人が健康保険を喪失する可能性がある。
この法案は上院通過後、下院での最終採決を控えており、可決されればトランプ大統領の署名をもって正式な法律となる見通し。 しかし、共和党内には財政保守派が多く存在し、国家財政赤字を拡大させる内容に対し強い懸念を示している。 特に、メディケイドの削減は各州の医療制度にも波紋を広げている。
仮に下院で僅差の否決となった場合、副大統領のJ・D・ヴァンス氏が決選投票を行う可能性も取り沙汰されており、政治的緊張感が高まっている。 また、保守派の一部は法案通過を「有権者への裏切り」と批判しており、党内分裂の火種になる恐れもある。
トランプ大統領の政策を集大成したとも言えるこの予算法案は、支持と反対の声が大きく分かれる中で進行している。 法案の可決・否決の行方は、米国の財政、医療、政党バランスに大きな影響を与える可能性が高く、今後数日の動向に注目が集まっている。
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