【国際ニュース】タイ・カンボジア国境で砲撃戦激化|死者16人・避難者10万人超、ASEANの対応が焦点に
2025年7月25日、タイとカンボジアの国境地帯で軍事衝突が続き、両軍が激しい砲撃を交わした。戦闘は前日に始まり、2日目の本日も継続。死者は少なくとも16人、避難者は10万人を超えており、情勢は急速に悪化している。
戦闘は主に、タイ東北部のスリン県およびウボンラーチャターニー県で発生。タイ軍によると、カンボジア軍はBM-21ロケット砲などの重火器を用いて攻撃しており、これに対しタイ側も「適切に応戦した」と発表している。今回の戦闘では、夜間から明け方にかけての攻撃が特に激しく、村落への砲撃も確認されており、民間人への被害が深刻だ。
タイ保健省によれば、死者はタイ国内で15人(うち14人が民間人)、負傷者は46人(うち兵士15人を含む)とされている。国境近隣の村や集落からは10万人以上が避難を余儀なくされており、学校や寺院などが一時的な避難所として活用されている。一方で、カンボジア側では、ウドーミエンチェイ州の当局によると、民間人1人が死亡、5人が負傷、1500世帯以上が避難しているとのことだが、中央政府からの正式な死傷者数の発表はない。
今回の衝突は突然起きたものではない。タイとカンボジアの間では、19世紀後半のフランス統治時代に由来する領有権問題が続いており、特にプレアヴィヒア寺院周辺をめぐっては、過去にも何度も軍事衝突が発生している。両国とも国際司法裁判所(ICJ)の判決や和平プロセスを通じて解決を図ってきたが、現場レベルでの小競り合いや挑発行為が再燃の火種となってきた。
25日、タイ外務省の報道官は米国、中国、および東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国であるマレーシアから仲介の申し出があったことを認めたが、「二国間メカニズムこそが最善の解決策である」と述べ、第三国の介入を拒否する姿勢を強調した。「これは二国間の問題であり、ASEANの枠組みも尊重するが、まずはカンボジア側が挑発行為を停止すべきだ」と報道官は強調した。
バイデン政権下の米政府は、タイに対し即時停戦と民間人の保護、外交による解決を強く求めている。また、マレーシアのアンワル首相は、両国の指導者と連絡を取り、平和的解決への道筋を模索する姿勢を示した。自身のSNSでも「双方が対話の意思を示したことを歓迎する」と述べ、ASEANによる積極的関与の必要性を訴えている。
今回の衝突が長期化すれば、地域全体の地政学的リスクが高まり、経済・安全保障にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。両国の即時停戦と、持続可能な和平メカニズムの構築が急務だ。ASEAN内での信頼構築、国連や周辺国との連携を含めた包括的な外交努力が、今後の安定につながるかどうか、国際社会の対応が問われている。
※本記事は2025年7月25日時点の報道に基づいており、タイとカンボジア国境地帯で発生した軍事衝突に関する最新情報を含みます。死傷者数や避難状況、外交的対応などは今後変化する可能性があります。続報や公式発表については、関係当局および国際メディアの最新情報をご確認ください。
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