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ユーロは米ドルに代われるか?基軸通貨を巡る最新分析

ユーロは米ドルに代われるか?基軸通貨を巡る最新分析

2025年6月6日|出典:Investing.com

ユーロ高と米ドル離れの潮流

近年、ユーロ(EUR)が「基軸通貨」としての地位を築く可能性が市場で注目を集めています。これは、アメリカドル(USD)に対する不信感と、EU経済の安定性、そして法制度への信頼感が背景にあります。

地政学的リスク、米国の財政不安、通貨覇権の多極化への動きが、外貨準備や国際貿易決済における「通貨分散化」を後押ししているのです。

Macquarie証券の分析:ユーロは「有力候補」も、決定打に欠ける

オーストラリアの投資銀行 Macquarie(マッコーリー)は、ユーロは「次善の選択肢」であるものの、米ドルの地位に取って代わるには複数の要件が未達と指摘しています。

彼らが挙げた基軸通貨の前提条件は以下の通りです:

  • 自由な資本移動: ユーロ、ドル、円は資本規制なし(ECB参照)
  • 経常赤字の維持: 米国は恒常的な経常赤字国として世界にドルを供給しているが、ユーロ圏(ユーロ統計)は黒字圏でありこの条件を満たさない
  • 統合された資本市場: 米国は統一された債券市場を持つが、EMUには統合金融市場がなく流動性で劣る
  • 決済インフラSWIFTCHIPS は米ドル基盤で、他通貨は代替になり得ない

制度の信頼性ではEUが優位か

Macquarieは、米国が「制度的支柱の劣化と政策運営の不確実性」に悩む一方で、EUは「ルール・オブ・ロー(法の支配)」に基づいた秩序ある制度を維持していると評価します。

ただし、全要素生産性(MFPや労働投入の面では、米国が依然として突出しており、経済実行力では一歩リードしています。

ユーロの国際的シェアは拡大中

現在の主要通貨の国際シェアは次の通りです(2025年時点):

  • 外貨準備: USD 58%、EUR 20%(IMF統計
  • SWIFT送金: USD 約50%、EUR 22%(SWIFTレポート
  • 国際貿易決済: USD 約55%、EUR 約30%

このように、米ドルの圧倒的優位性は続いているものの、ユーロが「第二の世界通貨」として着実に地位を築いていることは明らかです。

今後の展望:通貨覇権の分散化が進むか?

Macquarieは最終的に「USDの代替は目前には存在しない」としながらも、「たとえ5~10%の移行であっても、各資産クラスに大きな評価インパクトを及ぼす可能性がある」と強調しています。

今後の鍵は、ECBによる金融市場統合の進展と、EU全体での資本市場連携、および新たな国際決済ネットワークの創出といえるでしょう。

▶ 欧州中央銀行(ECB)最新声明

▶ FIXIOブログで最新の国際経済ニュースをチェック

本記事では、ユーロの基軸通貨化の可能性について、資本移動の自由、市場統合、決済インフラの観点から分析。Macquarieは「USDの代替はまだ存在しない」としつつも、小規模な通貨シフトでも市場に大きな影響を与える可能性を指摘。

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DANIEL JOHN GRADY
著者

Daniel John Grady は、金融アナリスト兼ライターです。彼は財務管理の学位を持つ元 CFO であり、英語とスペイン語の両方で出版されています。 10年以上の株式取引経験を持つ彼は、主にラテンアメリカを中心とした外国為替と新興市場に関心があります。

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