2025年6月30日、BTC/USD(ビットコイン/米ドル)は1時間足チャートにおいて、107,000ドル台から108,800ドル付近まで急伸後、短期的な調整局面に入っています。特に注目されるのは、買い圧力の増加とともに価格が上昇した後に、ややモメンタムが鈍化し、現在はサポートラインに再接近しているという点です。本稿では、テクニカル分析の視点から、移動平均線、MACD、ADX、出来高などの複数指標を用いて、今後の価格動向を多角的に検証していきます。
チャート上で明確に確認できるのは、短期移動平均線(青線、推定20EMA)が長期移動平均線(赤線、推定200SMA)を上回る位置で推移していることです。これは一般的に「ゴールデンクロス」として知られ、上昇トレンドの発生や継続を示す強気のシグナルとされています(移動平均線参照)。移動平均線の両方が上昇傾向を保っていることから、中期的な買い圧力が依然として優勢であると判断されます。
MACD指標を見ると、直近でMACDラインとシグナルラインの間にポジティブな乖離が確認されていましたが、現在はその差が縮小傾向にあります。ヒストグラムもピークを過ぎて減少に転じており、これは短期的なモメンタムの弱まりを示唆します。MACDの変化は、価格の反転や押し目のタイミングを見極める上で極めて重要です。今後はMACDラインがシグナルラインを下抜けるかどうかが注目されます。
ADX(Average Directional Index)は60前後と非常に高い水準を維持しており、現在の上昇が明確なトレンドであることを裏付けています。一般に、ADXが25を超えると「トレンドあり」とされますが、現在の数値はそれを大きく上回っており、トレンド指標としての信頼性が高い状況です。短期的な押し目や調整があったとしても、全体としての上昇傾向は継続する可能性が高いと考えられます。
6月30日未明の急上昇局面では、出来高が明確に増加しており、単なる投機的な上昇ではなく、実需を伴ったブレイクアウトであったことが確認できます。一方で、直近の下落局面では出来高が減少しており、これは強気派のポジション整理による一時的な利確売りと捉えることができます。このように、価格と出来高の関係をセットで観察することで、トレンドの持続性をより高い精度で見極めることが可能です。
レベル | 価格 | 意味・根拠 |
---|---|---|
短期レジスタンス | 108,900ドル | 6月30日早朝の直近高値、複数のローソク足上ヒゲが確認 |
次のターゲット | 110,000ドル | 心理的節目、ラウンドナンバーとして意識されやすい |
短期サポート | 107,965ドル | 現在価格の押し目候補、20EMA付近と一致 |
中期サポート | 107,000ドル | 出来高集中帯、前回の安値と重なるゾーン |
BTC/USDは現在、108,900ドルでの短期レジスタンスを試す段階から、再び107,965ドル付近のサポートを確認する段階にあります。モメンタムの一時的な減速が見られる一方で、ADXや移動平均線の構造からは依然としてトレンド継続の可能性が示唆されており、慎重な押し目買いの戦略が有効と考えられます。
特に、MACDがデッドクロスを形成するか否かが次の重要な判断材料となりそうです。また、107,000ドルを明確に割り込むようであれば、短期的にはトレンド転換のリスクも視野に入れて対応する必要があります。
総合的に見て、BTC/USDの1時間足は現在、トレンドの継続か一時的な反転かという重要な転換点にあります。モメンタムはやや減速していますが、トレンド指標と出来高の動きからは強気バイアスが継続していると見るのが妥当です。
今後は107,000〜107,965ドルの価格帯でサポートが機能するかに注目しつつ、108,900ドルを明確に上抜けるかどうかが次の展開を左右するキーレベルとなります。戦略としては、サポート帯での反発確認後のエントリー、あるいは明確な高値更新後の順張りが考えられます。
※免責事項:本内容は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。必ずご自身での判断・調査をお願いいたします。
本記事は情報提供のみを目的としており、金融または投資の助言を行うものではありません。本文中の分析および戦略は過去のデータや現在の市場状況に基づくものであり、今後変更される可能性があります。投資判断を行う際は、必ずご自身で調査を行い、必要に応じて専門家にご相談ください。
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