BTC/USD テクニカル分析（1時間足）：108,800ドルの攻防、次なる展開は？

DANIEL JOHN GRADY
2025年07月04日

市場の背景と現在の価格動向

2025年7月4日現在、BTC/USD（ビットコイン/米ドル）は1時間足チャートにおいて、重要な節目となる108,800ドル付近での攻防が続いています。ここ数日間はややボラティリティが高まり、買い勢力と売り勢力が拮抗する場面が目立ってきました。今回の分析では、テクニカル分析の観点から、現在のチャートパターン、移動平均線、モメンタム指標、ADX、出来高を総合的に評価し、今後の展開について考察します。

cTraderプラットフォーム

移動平均線分析：サポートラインとして意識される200SMA

現在、BTC/USDの価格は200期間の移動平均線（青）とほぼ同水準に位置しており、このラインが短期的なサポートとして機能しています。このラインは、トレンドの方向性を判断する際に多くのトレーダーが重視する指標であり、移動平均線の傾きが横ばいからやや下向きに変化しつつある点は、警戒すべき変化です。短期の上昇が一服し、調整フェーズへの移行が始まっている可能性があります。

ローソク足の動き：高値圏での失速とサポート接近

ローソク足の形状を見ると、複数の長い上ヒゲが確認できる一方、明確な陽線の継続が見られず、買い圧力の減少が示唆されます。特に109,500〜109,700ドル付近では売り圧力が強く、今後はこのゾーンがレジスタンスとして機能する可能性が高いです。現在の108,800ドル付近を明確に割り込んだ場合、短期的な下落トレンドへの転換も考慮すべきでしょう。

モメンタム分析：MACDのデッドクロスと売り圧力の台頭

MACDでは、すでにMACDラインがシグナルラインを下回っており、明確なデッドクロスが形成されています。これはMACD指標において、売りサインとして一般的に認識されています。さらに、ヒストグラムもマイナス圏で推移しており、現在の相場には強いモメンタムが存在しない状況が続いています。

ADXとDMI分析：トレンドの明瞭さが薄れる局面

ADX（Average Directional Index）は、40台から30台へと徐々に低下しており、トレンドの勢いが失われつつあることを示しています。DMIライン（+DIおよび-DI）は収束傾向にあり、買いと売りの力が均衡していることを反映しています。今後、ADXが25を下回るようであれば、レンジ相場への移行が強く意識される局面に入る可能性が高いです。

出来高分析：反落局面での売買エネルギー変化

直近のローソク足と連動して、出来高も一時的に増加し、その後減少傾向にあります。特に、価格が下落に転じる場面で売り出来高が増えている点から、現段階では「売り主導の相場」にシフトしつつある印象を受けます。サポートライン割れに伴い、さらなる売り圧力が強まる可能性もあり注意が必要です。

サポート・レジスタンスレベル詳細

レベル	価格	意味・根拠
短期サポート	108,800ドル	200SMA付近、直近の反発ポイント
次のサポート	108,200ドル	6月終盤の安値圏、出来高ゾーンと一致
短期レジスタンス	109,600ドル	直近高値、複数の上ヒゲが集中
中期レジスタンス	110,200ドル	6月中旬の分岐点、ラウンドナンバー

今後の注目ポイントと戦略

現在のBTC/USD相場では、108,800ドルの維持可否が短期的なトレンドを左右する重要な要素となっています。このサポートを維持し反発するならば、109,600ドル〜110,200ドルのレジスタンスゾーンを再び試す展開も期待できます。しかしながら、モメンタムの弱さやADXの低下、MACDのデッドクロスといったテクニカル指標からは、依然として警戒感が必要な局面であると言えるでしょう。

短期的には、108,200ドル付近までの下落を想定した押し目買い戦略、あるいは反発が確認された後のブレイクアウト狙いのエントリーが有効と考えられます。ファンダメンタルズ要因としては、米国雇用統計やインフレ指標の発表が控えている場合、それらの影響を受けやすい点も忘れてはなりません。